1. ネットワーク構成の基礎知識
1.1. ネットワーク構築の6フロー
ネットワークはウォーターフロー方式で以下フローで構築される。
- 要件定義
- 基本設計
- 詳細設計
- 構築
- 試験
- 運用
各段階 | 説明 | 作成資料 |
---|---|---|
要件定義 | システムの要件をヒアリングし要件の明確化を行う | 要件定義書 |
基本設計 | ネットワークのルール/仕様の決定をする | 基本設計書 |
詳細設計 | 基本設計の情報をもとに各機器のパラメータ設定値レベルまで設計を落とし込む | 詳細設計書,機器設定書,パラメータシート |
構築 | 詳細設計書の情報をもとに機器の設定/接続を行う | 作業手順書など |
試験 | 構築した環境下で単体試験/正常試験/障害試験などを行う | 試験仕様書,試験計画書 |
運用 | システムを運用するフェーズ。定型作業や障害対応などを行う | 運用手順書 |
1.2. 基本設計のフロー
ネットワーク設計では基本設計が最も重要になる。 基本設計は以下の5項目で構成される。
1.2.1. 物理設計
物理的なもの例えばハードウェアやケーブル、ラック電源などのルールを定義する。
1.2.2. 論理設計
ネットワークの論理的な構成、例えばVLAN/IPアドレスの割り当て、ルーティング/NAT変換などの項目のルールを定義する。
1.2.3. セキュリティ設計・負荷分散設計
セキュリティ設計ではファイヤウォールのポリシーの定義を行い、負荷分散設計ではサーバ負荷分散のルールを定義する。
1.2.4. 高可用性設計
高可用性設計ではシステム冗長化に関するルールを定義する。 システムの停止は許されないのですべての部分で冗長化を図る。
具体的にはSTPによる経路冗長化、FHRPによるDGWの冗長化、ルーティングプロトコルの冗長化なども決定する。
1.2.5. 管理設計
管理設計ではシステムの運用管理に関するルールを定義する。 ここでの設計も運用フェーズの運用性/拡張性に直接関わることになる。