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5.ネットワーク

5.1. LANとWAN

5.1.1. LANとLANのアクセス制御方式

LAN

LANは狭い空間に構成される小さな構成のネットワークを指す。

CSMA/CD方式

CSMA/CD方式は回線が使用中か調べ、使用中でなければ送信する方式のこと。

CSMACD

LANの接続方式(トポロジ)

ネットワークトポロジー

トークンリングとトークンパッシング

リング型のLANの代表であるトークンリングはアクセス制御方式にトークンパッシングが採用されている。

トークンパッシング

無線LAN

物理的なケーブルを用いず、電波を用いて無線で通信を行うLANは無線LANであり、IEEE802.11として規格化されている。

電波が届く範囲であればどこでも繋げられますが、電波は盗聴される恐れがあるため暗号化などのセキュリティ対策が重要である。

5.1.2. WANとWANの技術

WAN

WANはLAN同士をつなぐ広域ネットワークのこと。 WANの利用にはNTTやKDDIといった電気通信事業者により提供されるサービスを利用する。

回線交換方式

回線交換方式では回線自体を交換機が繋ぎ通信路が固定される

パケット交換方式

パケット交換方式ではパケットという単位分割された通信データを交換機が回線へ送り出すことで通信路を形成する

5.1.3. WANの接続方式

種類 説明
専用線 拠点間を専用線で結ぶもの、高セキュリティだが高価
フレームリレ方式 パケット交換方式をもとに伝送中の誤り制御を簡素化し高速化したもの。データ伝送単位は可変長フレームである
ATM交換方式 パケット交換方式をもとにデータ転送単位を固定長のセル(53バイト)にすることで高速化を目指したもの、伝送遅延は小さい
広域イーサネット LANで使われるイーサネット技術を用いて接続するもの。高速かつコスト面のメリット大。近年主流の方式

5.2. 通信プロトコル

通信プロトコルはどのような手順で通信するかという取り決めのこと。 コンピュータ同士がやり取りするための規定プロコトルとも呼ばれる。

またプロコトルはたくさんの種類があり、7階層に分けたものはOSI基本参照モデルと呼ばれる。

5.2.1. OSI参照モデル

OSI

LAN装置とOSI参照モデル

LAN

ネットワークの伝送速度

ネットワークの伝送にかかる時間は下記式で求まる。

伝送時間 = データ量 / 回線速度

5.2.2. NIC

NIC(Network Interface Card)はコンピュータをネットワークに接続するための拡張カードでありLANボードとも呼ばれる。

役割としてはデータを電気信号に変換しケーブル上に流すことと受け取ることである。 また、IEEEにより規格化されたMACアドレスが振られており、世界中で自由重複しない番号で保障される。

MACアドレスは16進数表記で48バイトあり、先頭の24ビットが製造メーカ番号で、後ろの24ビットが製造番号を表す。

5.3. LAN間接続装置

5.3.1. LANで使用するネットワーク機器

リピータ

リピータは第1層(物理層)の中継機能を実現する装置である。 ケーブル中を流れる電気信号を増幅し、LANの延長距離を延ばす。

また、ネットワーク中につながっていてデータの流される範囲はセグメントであり、1つのセグメントに大量のコンピュータが繋がっている場合、パケット衝突が多発するようになり回線利用効率が低下する。

ブリッジ

ブリッジは第2層(データリンク層)の中継機能を実現する装置である。 セグメントの中継役として、流れてきたパケットのMACアドレス情報の確認と他方へのセグメントへパケットを伝送する。

ブリッジから転送される中継パケットはCSMA/CD方式であるため、衝突の発生が抑制されネットワーク使用効率が向上する。

ハブ

ハブはLANケーブルのポートを複数持つ集線装置である。

  • リピータハブ ... リピータを複数束ねたものであり、パケットは無条件でポートへ流される
  • スイッチングハブ ... ブリッジを複数束ねたものであり、パケットは宛先MACアドレスに該当するCPが繋がるポートのみに流される

ルータ

ルータは第3層(ネットワーク層)の中継機能を実現する装置である。 異なるネットワーク同士の中継役として、流れてきたパケットのIPアドレスを確認した後最適経路へパケットを転送する。

ルータは経路表(ルーティングテーブル)に基づいて、最適な転送先を選択する。これはルーティングと呼ばれる。

ゲートウェイ

ゲートウェイは第4層(トランスポート層)以上で異なるネットワーク間においてプロコトル変換による中継機能を提供する装置である。 ネットワーク間で使われるプロコトルの差異をこの装置が変換することで互いの接続を可能とする。

5.4. インターネットとプロトコル

5.4.1. TCP/IP

TCP/IPは第4層(トランスポート層)のTCPと第3層(ネットワーク層)のIPというプロトコルを組み合わせたものである。インターネットのデフォルトスタンダードとなっている。

IP

IPは経路制御を行い、ネットワーク間のパケット転送を行う。 なおコネクションレス(接続確認をとらない)型の通信であるため、通信品質は第4層プロトコルであるTCPやUDPに依存する。

5.4.2. TCPとUDP

TCP

TCP(Transmission Control Protocol)は通信相手とのコネクションを確立してデータを送受信するコネクション型のプロトコルである。 パケット順序や送信エラー時の再送などを制御し、送受信のデータの信頼性を保証する

UDP

UDP(User Datagram Protocol)は通信相手と事前に接続確認を取らずに一方的にパケットを送り付けるコネクションレス型の通信プロトコルである。 信頼性は欠けるが高速であり、映像配信サービスなどのリアルタイム性を重視する用途に適している。

5.4.2. TCP/IPのプロトコル

ネットワークの様々なサービスは第5層以降のプロコトルが提供する。 またそれらはプロコトルを処理するサーバにより提供される。

ポート番号

5.4.3. 電子メールの仕組み

電子メールはネットワーク上のメールサーバをポスト兼私書箱に見立て、テキストやファイルをやりとりする。 MIME(Multipurpose Internet Mail Extentions)という規格により、メールに様々なファイルを添付できるようになりました。

メールアドレス

メールアドレスはユーザ名とドメイン名で構成される。 ユーザ名とドメイン名は@で区切られる。

例:testuser@gmail.com

  • ドメイン名 ・・・ 住所にあたる情報
  • ユーザ名 ・・・ 名前にあたる情報

メール宛先の種類

電子メールは目的に応じて3種類の宛先を使い分けできる。

種類 説明
TO 宛先である相手のメールアドレスを記載する
CC 一応見てほしい(返信不要)な相手のメールアドレスを記載する
BCC 他者にわからない状態で一応見てほしい相手のメールアドレスを記載する

電子メールのプロトコル

  • SMTP ... 電子メールを送信するプロコトル。SMTPに対応したサーバはSMTPサーバと呼ばれ、郵便ポストとメールの送信の役割を持つ
  • POPは ... 電子メールをユーザが受信する際に使われるプロコトル。POPに対応したサーバはPOPサーバと呼ばれ、現在はPOP3がよく使われている。
  • IMAP ... はPOPと同じく電子メールをユーザが受信する際に使われるプロコトル。POPと異なるのは送受信データはサーバで管理されるため、どのコンピュータからでも同じデータを参照できる。

MIME

MIMEは日本語などの2バイト文字や画像データなどのファイルの添付を行えるように、電子メールの機能を拡張したもの。 MIMEには暗号化や電子署名の機能を加えたS/MIMEという規格がある。

電子メールの文字化け

特定のコンピュータでしか表示できない文字は機種依存文字と呼ばれる。 メールなどでは機種依存文字の使用は避けられる。

5.5. WEB

5.5.1 WWW

WWW(World Wide Web)は多くの人が用いるサービスであり、「http://~」とアドレスを打ち込んだりして見るサービスのこと。 このサービスはWEBブラウザを用いて世界中にあるWEBサーバから文字や画像、音声、動画などを得ることができる。

5.5.2. HTTP

WEBの送受信にはHTTPが使用される。

インターネット

5.5.3. Webページの構成

URL

URL(Uniform Resource Locator)という表記を用いる。

url

HTML

WebページはHTML(HyperText Markup Language)により記述されている。

CSS

CSS(Cascade Style Sheat)はWebページのデザインやレイアウトを定義する言語。

5.5.4. Webの構成技術

CGI

CGI(Common Gateway Interface)はWebブラウザからの要求に応じ、Webサーバで外部プログラムを実行するために用いる仕組み。

CGI

Javaサーブレット

JavaサーブレットはJavaで書かれたプログラムを使用するWebアプリケーションのこと。

Javaアプレット

Javaアプレットはユーザのブラウザ上で動作するJavaで書かれたプログラムのこと。

JavaScript

JavaScriptは一般的にはWeb上に様々な動きを付けることができる言語のこと。

Ajax

AjaxはWebブラウザとWebページが非同期通信を行い、ページを更新することなく画面を更新する技術のこと。

5.6. IPアドレス

5.6.1. IPアドレス

IPv4アドレスは32ビットで表されるネットワーク上の住所であり、グローバルIPプライベートIP(ローカルIP)がある。この2つの関係は電話の外線と内線に似ている。

5.6.2. グローバルアドレスとプライベートアドレス

グローバルIPアドレス

グローバルIPアドレスはインターネットで用いるIPアドレスであり、NIC(Network Information Center)により管理される。

プライベートIPアドレス

プライベートIPアドレスはLAN内で用いれるIPアドレスであり、LAN内での重複が発生しなければシステム管理者が自由に割り当て可能。

5.6.3. IPアドレスの構成

IPアドレスの内容はネットワークアドレス部ホストアドレス部に分けられ、それぞれの関係は住所と名前に似ている。

  • ネットワークアドレス ・・・ どのネットワーク化を示す
  • ホストアドレス ・・・ どのコンピュータか示す

5.6.4. IPアドレスのクラス

IPアドレスはクラスA、クラスB、クラスCの3クラスに分かれており、それぞれ32ビットの内何ビットをネットワークアドレス部に振るかの規定となっている。

区分 説明
クラスA 0.0.0.0 ~ 127.255.255.255: 大規模ネットワーク用
クラスB 128.0.0.0 ~ 191.255.255.255: 中規模ネットワーク用
クラスC 192.0.0.0 ~ 223.255.255.255: 小規模ネットワーク用

5.6.5. ポート番号

IPアドレスではコンピュータの識別はできても、そのサーバプログラムに宛てたものかまでは特定できない。

そこでその接続口としてポート番号という0~65535までの接続口をプログラム上で用意される。

ウェルノウンポート

ウェルノウンポートは0~1023までのポートでよく使用されるサービスのため予約されているポート番号のこと。

5.6.6. ブロードキャスト

同一ネットワーク内の全てのホストに一斉に同じデータを送信することはブロードキャストと呼ばれる。

また特定の一台に送信することはユニキャスト、複数でなお且つ決められた範囲の複数ホストに送信する場合はマルチキャストと呼ばれる。

5.6.7. サブネットマスクによるネットワーク分割

小規模ネットワークのクラスCにおいては最大254台のホストを扱えます。そこまでホストがいらず、部門ごとにネットワークを分割するにはサブネットマスクを用います。

5.6.8. MACアドレスとIPアドレスの違い

データの配送はイーサネットが行い、近距離を繋ぐのに用いられるのがMACアドレス、中継はIPアドレスが行います。

MAC

5.6.9. DHCPの仕組み

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol) を用いるとIPアドレスの割り当てと言ったネットワークの設定作業を自動化することができる。

5.6.10. NATとIPマスカレード

NATやIPマスカレードはプライベートIPをグローバルIPに変換する技術であり、ルータに実装されている。

NAT

グローバルIPとプライベートIPを対で結び付けて相互に変換を行う。また同時にインターネット接続できるのはグローバルIPの数分のみである。

IPマスカレード(NAPT)

グローバルIPに複数のプライベートIPを結び付け、一対複数の変換を行う。IPアドレス変換時にポート番号を合わせ書き換えることで、1つのグローバルIPアドレスで複数のコンピュータが同時にインターネットに接続可能。

5.6.11. ドメイン名とDNS

ドメイン名はIPアドレスを文字で別名を付けたものである。 「www.yahoo.co.jp」などと記載される。

ドメイン名とIPアドレスを関連付け管理しているのがDNSサーバであり、ブラウザなどではドメイン名やIPアドレスをDNSサーバに尋ねると、それに応じたIPアドレスやドメイン名が返る。

5.7. ネットワーク伝送速度

5.7.1. データ伝送速度

通信速度は1秒間に何Bitのデータを送れるかを示したもの。 単位はBit/s(bps)で示される。

5.7.2. データ伝送時間の計算方法

データ伝送時間 = データ伝送量 / (回線速度×回線利用率)

5.8. 誤り制御

5.8.1. データの誤り制御

データ誤りはビットがノイズや歪により、異なる値となることである。 データや誤りを確実に防ぐ方法はなく、パリティチェックやCRC(巡回冗長検査) などの手法により誤りを検出し訂正を行う。

5.8.2. パリティチェック

パリティチェックでは送信するビット列に対しパリティビットと呼ばれる検査用のビットを付加することでデータや誤りを検出する。

特徴として1ビットの誤りを検出することができるだけである。誤り訂正ができないという問題もある。

パリティ

5.8.3. 偶数パリティと奇数パリティ

偶数パリティ

ビット列中の1の数が偶数になるようにパリティビットをセットする。

奇数パリティ

ビット列中の1の数が奇数になるようにパリティビットをセットする。

5.8.4. 垂直パリティと水平パリティ

パリティビットはどの方向に付加するかにより、水平パリティと垂直パリティに分かれる。

垂直水平パリティチェック

垂直水平パリティチェックであればどのビット位置が誤りであるか検出することができる。ただし2Bit以上のビット誤りが発生いs多場合は誤りが検出できない場合がある。

垂直

5.8.5. CRC(巡回冗長検査)

CRCはビット列を特定の式(生成多項式)で割り、余りをチェック用のデータとして付加する手法。 この方式ではデータ誤り訂正はできないが、連続したビット誤りなどを検出することが可能である。

5.8.6. ハミング符号方式

ハミング符号方式は同一データに複数の方法でチェックコードを付ける方法のこと。

5.8.7. チェックディジット

チェックディジットは元のコードに負荷される数字や文字のことでコードの入力値が間違っていないか確かめるために使用される。