4.マルチメディア
4.1. ディジタルデータの表記
4.1.1. ビット(Bit)とバイト(Byte)の関係と単位
8bitをひとまとまりにした単位をByteとしている。 記憶容量等はByteを用いて表記される。
またByteの各単位系は以下の通りです。
記憶容量などの大きい数値を表す単位系
bit | 乗数 | 単位 |
---|---|---|
キロ(K) | 3 | 1KB=1024B |
メガ(M) | 6 | 1MB=1024KB |
ギガ(G) | 8 | 1GB=1024MB |
テラ(T) | 12 | 1TB=1024GB |
情報速度など小さい数値を表す単位系
bit | 乗数 | 単位 |
---|---|---|
ミリ(m) | -3 | - |
マイクロ(μ) | -6 | - |
ナノ(n) | -8 | - |
ピコ(p) | -12 | - |
4.2. 文字データの表現
4.2.1. 文字コード
文字コードは文字1つ1つにコードを振った一覧表のこと。 文字コードの種類には以下のような種類がある。
- ASCII ... 米国規格会が定めた基本的な文字コード、アルファベットと数字といくつかに記号のみを表し1文字7bitです
- EBCDIC ... IBMが定めた文字コードで1文字8bitで表し、大型コンピュータで用いられる
- Shift-JIS ... ASCIIの文字と混在させて使える日本語文字コード表。ひらがなや漢字、カタカナが使えます。windowsで使われており、1文字2Byteです
- EUC ... 拡張UNIXと呼ばれ、UNIX系のOSで使われる日本語文字コード表、1文字基本2Byte、補助漢字は3Byteで表される
- Unicode ... 全世界の文字コードを1つにしようとして作成された文字コード、現在は1文字4Byteで、ISOにより標準化された
4.2.2. フォントの種類
フォントは文字を統一されたデザインで表現できる余蘊強いた書体データのこと。
4.2.3. 文字の大きさを表す単位
ポイントは文字の大きさを指定するときに使う単位のこと。 1ポイントは1/72inchとなる。
4.2.4. ビットマップフォントの文字データ
ビットマップフォントはピクセル(画素)の集まりにより表現する。 画素の個数は画素数と呼ばれる。
解像度は一領域に対し画素をどれだけ表示できるかを示す単位のこと。 単位はdpiで表現され1inch(2.54cm)の中に画素が並んでいるかを表した数字となる。
4.3. 画像データの表現
4.3.1. 画像データの形式
ラスタ形式とベクタ形式がある。
4.3.2. 画像データで表現できる色数
色数 | 画像 |
---|---|
2色 | 白黒画像、1ドットにつき1bit |
16色 | 1ドットにつき4bit |
256色 | 1ドットにつき8bit |
65535色 | 1ドットにつき16bit |
2^24(25ビット) | フルカラー画像、1ドット24bit |
4.3.3. 画像データの圧縮
画像データの圧縮には圧縮する前の情報に戻せる可逆圧縮と、元の状態には戻せない不可逆圧縮がある。
種類 | 説明 |
---|---|
BMP | 画像を圧縮せずにそのまま保存するファイル形式 |
JPEG | 画像圧縮保存形式、フルカラーが扱え圧縮率が高く、不可逆圧縮なため画質が劣化する |
GIF | 画像圧縮保存形式、可逆圧縮であり、扱える色数が256色という制限がある |
PNG | 画像圧縮保存形式、フルカラーが扱え可逆圧縮であり画像の劣化もない、圧縮率はJPEGが良い |
4.4. 音声データの表現
4.4.1. アナログデータとディジタルデータ
アナログデータは波形一続きのデータで、ディジタルデータは波を数値で区切ったデータのこと。
4.4.2. 音声データのディジタルデータ
音声データはアナログ波形のデータであり、ディジタル化して数値表現する方式はPCMと呼ばれる。
PCMでは以下のステップでディジタル化を行う
- 標本化(サンプリング)
- 量子化
- 符号化
標本化
標本化はアナログデータを一定の単位時間で区切り、時間ごとの信号を標本として抽出する処理のこと。 サンプリング周波数はどの間隔で標本を得るか示すものである。
例:CDのサンプリング周波数が44100Hz,量子化ビット数が16ビットだとするとサンプリング周期は?
Ts = 1/44100
量子化
量子化はサンプリングしたデータを段階数に当てはめ整数値に置き換える処理のこと。 このときの量子化した段階の数を量子化ビット数と呼ぶ。
符号化
符号化は量子化で得たデータを2進数に直す処理のこと。
4.4.3. 音声データのファイル形式
種類 | 説明 |
---|---|
MP3 | 音声を圧縮し保存する形式、人に聞こえないレベルの音を削減するなどをして不可逆の圧縮を行う |
WAV | 録音したそのままの状態と同じ音質を保ったファイル形式、非圧縮 |
MIDI | デジタル楽器の演奏データを保存できるファイル形式 |
4.5. 動画データの表現
4.5.1. クリッピング
クリッピングは特定の範囲を定義しそこからはみ出た範囲を表示しないようにする処理のこと。
4.5.2. 動画データの圧縮技術
動画等のマルチメディアデータはそのままであると膨大なデータ量となる。そのため通常は圧縮技術を用いてデータサイズを小さくし保存されるのが一般的である。
動画でよく用いられる圧縮方法はH.264/MPEG-4 AVCという圧縮方法で動画の変化した部分だけを送信することで少ないデータを送信できるというものである。
4.5.3. 動画データのファイル形式
種類 | 説明 |
---|---|
MPEG | 不可逆圧縮で動画を保存するファイル形式、ビデオCDにはMPEG-1、DVDにはMPEG-2、コンテンツ配信にはMPEG-4が用いられる |
MP4 | MP4はMPEG4と音声のMP3を結合して格納しているファイルである |
4.6. 3DCGデータの表現
3Dモデリングはコンピュータを使用して立体物データを計算して形成する技術のこと。
4.6.1. 3Dモデリングの用語
モーフィング
モーフィングはある状態からある状態に変化していく様子を表現するCG技法のこと。
ポリゴン
ポリゴンは立体の表面を形作る小さな多角形のことで、局面の最小単位のこと。3DCGではポリゴンの集まりで立体的な局面を表現する。
モーションキャプチャ
モーションキャプチャはセンサやカメラなどで人間などの動きをデータ化してコンピュータに取り込むこと。