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11. マネジメント

11.1. プロジェクトマネジメント

11.1.1. マネージャの役割

用語 説明
プロジェクトマネジメント プロジェクトを管理すること
プロジェクトマネージャー プロジェクトを管理する人
ステークホルダー プロジェクト活動により利害が生じる可能性のある人
スコープマネジメント プロジェクトの目的や範囲を明確にしたうえで何をするのか、しないのかを決め必要な作業を洗い出すこと

コストの見積もり

システムの開発工数や費用を見積もる方法にはファンクションポイント法と呼ばれる、画面数といった入出力のシステム機能に着目し、すべての機能に処理の難易度に応じ、「ファンクションポイント」という点数を杖、機能の個数と点数を計算して見積もる

スケジュール管理

システム開発全体のスケジュールを管理するのは大変なのでWBSと呼ばれるトップダウン方式で作業を細分化し階層のように管理する方法がとられる。

11.2. アローダイアグラム

11.2.1. アローダイアグラム

アローダイアグラム(PERT)は1つ1つの作業を「→」で表し、矢印の上に作業名、下に所要日数を記載し、作業同士の結合点は「○」で表す手法。 スケジュール管理を見積もるときに使用される。

アローダイアグラム

11.2.2. クリティカルパス

クリティカルパスは作業開始から作業終了まで複数の経路がある中で、最も時間のかかる経路のこと。 また、ダミー作業は実際の作業は存在せず、作業前後関係だけを表す作業のことで「- - >」で表される

クリティカルパス

11.2.3. 最早結合点時刻と最遅結合点時刻

最早結合点時刻

最早結合点時刻はもっとも作業を早く開始できる日時のことで「いつから次の作業に取り掛かれるか」という最短所要日数を表す。

最遅結合点時刻

最遅結合点時刻はプロジェクト全体に影響を与えない範囲で最も作業を遅らせて開始した場合の日時のこと。「いつまでに作業をすれば全体の進捗に影響が出ないかを逆算する。

11.2.4. トレンドチャート

トレンドチャートはプロジェクト全体の進捗管理に用いられるグラフで、作業の進捗状況と予算の消費状況を関連付けて折れ線グラフで表す

トレンドチャート

11.3. サービスマネジメント

11.3.1. サービスマネジメント

サービスマネジメントはサービス利用者に満足してもらうための自社サービスを適切に提供できるようにするための取り組みのこと。 また、サービスマネジメントシステムは企業が組織的にサービスを管理するための仕組みのこと。

ITサービスマネジメント

ITサービスマネジメントはITを用いてサービスを改善していく取り組みのこと。

11.3.2. ITILとJIS Q 20000

ITILはITサービスを提供するにあたっての管理・運用規則に関するベストプラクティスが体系的にまとめられたガイドラインのこと。

JIS Q 20000はITサービスマネジメントの国際規格(ISO/IEC 20000)を翻訳したもののこと。サービスマネジメントシステムの要件、設計/実装/運用/改善に関するプロセスやリソース、ドキュメントなどの記述がある。

  • サービス提供プロセス
    • サービスレベル管理
    • キャパシティ管理
    • 可用性管理
  • 解決プロセス
    • インシデント管理
    • 問題管理

SLA(Service Level Agreement)

サービスレベルアグリーメント(SLA)はサービスレベル合意書であり、サービスの利用者と提供者の間で「どのようなサービスをどういった品質で提供するか」を取り決めて明文化したものである。

設定した目標を達成するために、計画-実行-確認-改善というPDCAサイクルを構築し、サービス水準の維持・向上に努める活動はサービスレベルマネージメント(SLM) と呼ばれる。

11.3.3. サービスデスク

サービスデスクは両者からの問い合わせに対応する窓口のこと。

ローカル・サービスデスク

ユーザの拠点内、もしくは物理的に近い場所に設けられたサービスデスクである。

中央サービスデスク

1か所に窓口を集約させたサービスデスクである。

バーチャル・サービスデスク

インターネットなどの通信技術を利用することで、実際には各地に分散しているスタッフを疑似的に1か所で対応しているように見せかけるサービスデスクである。

11.4. システム監査

11.4.1. システム監査とは

システム監査はシステムに関する様々なリスクに対し、きちんと対策が整備/運用できているあどうか評価/検証すること

システム監査の流れ

システム監査の流れは以下の通り

  1. 計画 : 監査項目一覧の作成
  2. 実施 : 予備調査/本調査の実施
  3. 報告 : 被監査部門と意見交換し監査内容に事実誤認がないか確認

システム監査

11.4.2. システム監査基準

システム監査人が行うべき手順や内容をまとめたシステム監査基準を公表している。

システム監査人の独立性

種類 内容
外観上の独立性 監査対象からシステム監査人が独立していること
精神上の独立性 公正かつ客観的に監査判断を行う

システム監査手続きの手法

手法 内容
ウォークスルー法 データの生成から入力処理出力活用までの工程や組み込まれている制御の動きを追跡
インタビュー法 直接関係者に口頭で問い合わせて回答を入手
ドキュメントレビュー法 関連する資料や文書を入手し内容を点検
コンピュータ支援監査技法 用意したテスト用データを監査対象プログラムで処理し、期待通りの結果が出るか確認